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2026.02.09  SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?春前に知っておきたい犬・猫のマダニ・ノミ予防

まだまだ寒い日が続きますが、暦のうえでは春を迎え、マダニやノミが本格的に活動を始める季節の訪れも間もなくです。春の気配が近づくにつれ、当院でも「そろそろ予防を始めたほうがいいですか?」というご相談が増えてきます。

一方で「うちは室内飼いだから大丈夫」「毎日散歩するわけじゃないから平気」と感じている飼い主様も少なくないかもしれません。しかし実際には、人の衣類や持ち物、同居動物を介して、家庭内に持ち込まれるケースもあります。

近年では、マダニが媒介する感染症として「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」が注目されており、犬や猫だけでなく、飼い主様の健康にも関わる病気として知られるようになってきました。

今回は、SFTSとはどのような病気なのかを整理したうえで、春を迎える前に知っておきたいマダニ・ノミ予防の考え方や、早めに対策を始めることの大切さについて解説します。


■目次
1.致死率の高い感染症「SFTS」とは?|マダニが媒介する病気
2.なぜ「予防医療」が重要なのか|当院が予防を大切にしている理由
3.マダニだけでなくノミも一緒にブロック|予防薬のメリット
4.ライフスタイルに合わせた予防の選び方
5.まとめ|春を迎える前に始めたい、健康を守る第一歩

致死率の高い感染症「SFTS」とは?|マダニが媒介する病気

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介するウイルス感染症です。犬・猫を含む動物だけでなく、人にも感染することが分かっており、国内でも感染例や死亡例が報告されています。重症化した場合に命に関わることがある感染症として知られており、確立された治療法が限られている点も特徴です。

<犬・猫が感染するとどうなる?>

犬や猫がSFTSに感染した場合、次のような症状が見られることがあります。

発熱
元気や食欲の低下
嘔吐や下痢
ぐったりして動かなくなる

症状の現れ方や経過には個体差がありますが、猫では発症後に高い割合で重篤化し、命に関わるケースが多いことが報告されています。犬でも重い経過をたどることがあり、いずれも注意が必要です。

また、感染した犬や猫の体液などを介して、飼い主様が感染するリスクがあります。SFTSは、人の健康にも関わる感染症として知っておきたい病気です。

なぜ「予防医療」が重要なのか|当院が予防を大切にしている理由

SFTSは、現時点で確立された治療法が限られている感染症です。そのため、感染してから対処するよりも、感染しない環境をつくることが何より重要になります。

マダニは非常に小さく、刺されてもすぐに気づかないことが少なくありません。また、「見つけてから取ればいい」「あとで対処すれば大丈夫」と思っていても、気づいた時点ですでに感染が成立している可能性もあります。

アルファ動物病院では、病気になってから治すだけでなく、病気を未然に防ぐことも医療の大切な役割だと考えています。

マダニ予防も、特別なことではなく日々の健康管理の一部。不安を減らし、安心して暮らすための「準備」として取り入れていただきたい医療のひとつです。

マダニだけでなくノミも一緒にブロック|予防薬のメリット

SFTSの話題を耳にすると「とりあえずマダニ対策を」と考える方も多いかもしれません。しかし、ノミはマダニと活動する時期が重なっており、生活環境も共通しています。そのため、マダニ対策を考えるタイミングでノミも一緒に予防しておくと、日々の管理がぐっと楽になります。

<同時予防のメリット>

マダニと一緒にノミも予防することで、次のような点が期待できます。

活動期が重なる寄生虫をまとめてカバーでき、対策の抜け漏れを防ぎやすい
投与や管理がシンプルになり、忙しい時期でも予防を続けやすい
ノミによるかゆみや皮膚炎、アレルギー反応の予防にもつながる

「いつ、どの薬を使うんだっけ?」と迷いにくくなることも、継続的な予防には大切なポイントです。

<予防薬を使うことの意味>

マダニやノミの対策では「見つけてから対処する」のではなく「寄生される前に防ぐ」という考え方が基本になります。

吸血される前の段階で効果を発揮する
家庭内への持ち込みや、室内での拡散リスクを下げられる
結果として、飼い主様ご自身の感染リスクを下げることにもつながる

特に治療法が限られているSFTSのような感染症を考えると「ついてしまってから」ではなく「つかない状態を保つ」ことが、大切な予防の考え方といえるでしょう。

ライフスタイルに合わせた予防の選び方

マダニ・ノミ予防を考えるうえで大切なのは「とりあえず予防する」ことではなく「その子の暮らしに合った方法を選ぶ」ことです。

たとえば、

散歩の頻度やルート
草むらや公園に立ち入る機会があるかどうか
多頭飼育かどうか

といった日々の過ごし方によって、寄生虫に触れるリスクは変わってきます。また、完全室内飼育の猫であっても、人の衣類や持ち物を介して持ち込まれる可能性があるため、リスクがゼロになるわけではありません。

さらに、犬や猫の年齢や体調・性格、飼い主様の生活スタイルによっても、続けやすい予防方法は異なります。「飲み薬が得意かどうか」「毎月の投与が負担にならないか」といった点も、無理なく予防を続けるためには重要なポイントです。

インターネットや周囲の情報を参考にしながら考える飼い主様もいらっしゃるかもしれません。ですが、動物病院で状況を共有しながら、生活スタイルや体調、性格まで含めて整理していくことで、その子に合った予防方法をより選びやすくなります。

まとめ|春を迎える前に始めたい、健康を守る第一歩

SFTSは、愛犬や愛猫だけでなく飼い主様ご自身にも関わる感染症です。予防を始めるなら、マダニ・ノミが増え始める前のタイミングが理想といえます。

春本番になると、予防や健康診断のご相談が集中しやすく、希望のタイミングで受診しづらくなることもあります。今の時期から余裕をもって相談・準備を進めておくことで、混雑を避けながら、急に暖かくなった場合でも慌てずに、その子に合った予防を落ち着いて始めることができます。

アルファ動物病院では、予防を「不安を減らすための準備」と捉え、予防の始め方や薬の選び方についてもご相談をお受けしています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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