2024.09.27 ノミ・マダニ・フィラリアの予防|なぜ予防が大切なの?獣医が解説
暖かい時期になると、愛犬や愛猫との散歩や外遊びが一段と楽しくなりますね。しかし、この楽しい季節には、ノミやマダニ、フィラリアを媒介する蚊が活発に活動し始めるため、注意が必要です。
これらの寄生虫は、愛犬や愛猫の健康に深刻な影響を与えるだけでなく、場合によっては飼い主様にも害を及ぼすことがあります。
予防策をしっかりと講じることで、愛犬や愛猫の健康を守りながら、安心して楽しい季節を過ごすことができます。愛犬や愛猫のために、今一度、予防の大切さを見直してみませんか?
今回は、なぜノミ・マダニ・フィラリアの予防が重要なのか、そしてどのように予防を行うべきかについて詳しく解説します。
■目次
1.ノミ・マダニ・フィラリア対策は必要?
2.ノミ・マダニ・フィラリアがもたらす病気
3.ノミ・マダニ・フィラリア予防をしないリスクは?
4.ノミ・マダニ・フィラリアの予防方法
5.日常で予防するためにご家庭で注意すること
6.よくある質問
ノミ・マダニ・フィラリア対策は必要?
ノミやマダニは犬や猫の皮膚に寄生し、血を吸うことで痒みや皮膚炎を引き起こします。
そして、これらの寄生虫はさまざまな感染症を媒介するため、放置すると深刻な病気を引き起こす可能性があります。また、一度家の中にノミやマダニが入り込むと、駆除は非常に困難になります。
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫によって引き起こされる病気です。この寄生虫が犬や猫の体内に入り、成虫になると肺や心臓に深刻なダメージを与え、最悪の場合、命に関わることがあります。特に、フィラリア症の予防を怠ると治療が難しくなるため、定期的な予防が重要です。
ノミ・マダニ・フィラリアがもたらす病気
ノミ、マダニ、フィラリアが犬や猫にもたらす病気は多岐にわたります。
<ノミが原因となる病>
・瓜実条虫(サナダムシ)
ノミを介して犬や猫に感染する寄生虫で、体内で成長し消化器に影響を及ぼします。重度の場合、下痢や体重減少などの症状が現れます。
・ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に対するアレルギー反応により、激しい痒みや炎症、湿疹が引き起こされます。
・猫ひっかき病
ノミが媒介する細菌(バルトネラ)が原因で、人が感染するとリンパ節の腫れや発熱を引き起こします。
<マダニが原因となる病気>
・バベシア症
マダニが犬の赤血球に寄生し、貧血や発熱、黄疸を引き起こします。特に西日本で多く見られますが、最近は関東地方でも報告されています。
・ライム病
マダニが媒介する病気で、犬や猫、人間にも感染します。初期症状は発熱や筋肉痛で、放置すると関節炎や心臓の問題を引き起こすことがあります。
これらの病気は、愛犬や愛猫だけでなく、時には飼い主様にも影響を及ぼすことがあります。寄生虫対策を怠ると、健康被害が広がるリスクが高まるため、しっかりと予防を行いましょう。
<フィラリアが原因となる病気>
フィラリア症は、フィラリアが犬や猫の心臓や肺動脈に寄生することで発症します。症状としては咳、運動不耐性(少しの運動で息が切れ、疲れやすくなる)、呼吸困難が挙げられ、放置すると症状が進行し、命に関わります。
ノミ・マダニ・フィラリア予防をしないリスクは?
予防を怠ることは、愛犬や愛猫に大きなリスクをもたらします。
まず、健康面でのリスクがあります。予防をしないとノミやマダニが寄生し、痒みや皮膚炎を引き起こすだけでなく、重篤な感染症をもたらすこともあります。
特に、フィラリア症は一度感染すると治療が非常に難しく、最悪の場合、命に関わることもあります。
さらに、家庭内への影響も重要です。ノミやマダニは一度家の中に入り込むと、他のペットや飼い主様にも影響を及ぼします。完全に駆除するのは非常に困難で、家庭全体の健康リスクが増大します。
これらのリスクを避けるためにも、ノミ、マダニ、フィラリアの予防は欠かせません。愛犬や愛猫の健康を守るために、日常的な予防を徹底しましょう。
ノミ・マダニ・フィラリアの予防方法
ノミ、マダニ、フィラリアの予防には、いくつかの方法があります。効果的な予防を行うためには、定期的に予防薬を使用することが大切です。
<ノミ・マダニの予防方法>
・スポットタイプ:月に一度、犬や猫の皮膚に滴下するタイプの薬です。ノミやマダニが寄生するのを防ぎます。
・錠剤タイプ:錠剤を飲ませることで、ノミやマダニの予防を行います。
・チュアブルタイプ:お肉のような味がするおやつタイプの薬で、飲みやすくなっています。
ノミやマダニは一年中活動していますが、特に気温が13℃以上になると活発になります。そのため、年間を通じて予防することをおすすめします。
<フィラリアの予防方法>
・スポットタイプ:月に一度の滴下で予防します。
・錠剤タイプ:月に一度の投薬で予防します。
・チュアブルタイプ:おやつタイプの予防薬です。
・注射タイプ:年に一度の注射で予防効果を発揮します。
フィラリアの予防は蚊が活発になる季節に合わせて行います。当院では、5月から12月の間の投与を推奨しています。
<オールインワン>
最近では、ノミ・マダニ・フィラリアのすべての予防を1粒で行えるオールインワンタイプの薬も登場しています。
これにより、飼い主様の手間が軽減され、愛犬や愛猫の健康管理がさらに簡単になります。
予防薬の種類や価格はさまざまですので、愛犬や愛猫に最適な予防方法については、ぜひ動物病院にご相談ください。
日常で予防するためにご家庭で注意すること
ノミ、マダニ、フィラリアの予防は、予防薬を使用するだけではなく、日常生活での注意が必要です。愛犬や愛猫を守るために、飼い主様が日常的にできる予防策をご紹介します。
1.定期的なブラッシング
外から戻った際や日常的にブラッシングを行うことで、ノミやマダニが体に寄生する前に発見し、取り除くことができます。特に、散歩やアウトドア活動の後は念入りに行いましょう。
2.散歩コースの選定
草むらや湿地帯、特にノミやマダニが多く生息する場所への立ち入りを避けることが大切です。
3.家の清掃
家の中でもノミやマダニが繁殖しないように、ペットの寝床やお気に入りの場所を定期的に掃除機をかけたり、洗濯したりして清潔に保ちましょう。
4. 新しいペットのチェック
新しく犬や猫を迎える際には、動物病院でノミやマダニのチェックを行いましょう。他のペットに感染させないためにも、初めての接触前に確認することが大切です。
よくある質問
Q1. 完全室内飼いでも予防は必要ですか?
はい、必要です。愛犬や愛猫が外に出なくても、人間が出入りする際に外からノミやマダニ、蚊が入ってくることがあります。まったく外に出ない犬や猫でも寄生虫のリスクはゼロではありませんので、予防は欠かさず行いましょう。
Q2. 市販のノミ取りシャンプーやノミ予防の首輪などでは、予防になりませんか?
市販のノミ取りシャンプーや首輪は、一部の寄生虫に対して一定の効果がありますが、完全な予防にはなりません。動物病院で処方される予防薬は、より確実な効果が期待できますので、そちらを使用することをおすすめします。
Q3. 薬を飲ませるのが苦手です。どうすればいいですか?
予防薬にはさまざまなタイプがあります。お肉の味がするチュアブルタイプの薬や、首の後ろに滴下するスポットタイプ、注射薬もあります。
愛犬や愛猫に合った方法を選ぶことで、無理なく予防を続けることができます。ご相談いただければ、最適な方法をご提案いたします。
Q4. 予防の費用はいくらくらいかかりますか?
ノミ・マダニ・フィラリア予防薬の費用は、種類や使用間隔によって異なります。具体的な費用については動物病院での相談が必要ですが、もし金額面でご不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。愛犬や愛猫の健康を守るために、最適なプランを一緒に考えましょう。
これらの予防策や情報を参考にして、愛犬や愛猫の健康を守り、寄生虫からのリスクを最小限に抑えましょう。
どんな些細なことでも、ご不安やご不明点があれば当院にご相談ください。
■当院の診療案内はこちら
葛飾区高砂にある【アルファ動物病院】
TEL:03-3609-6304
診療時間:10:00~12:00|15:00~19:00 ※受付18:30まで
休診日:日曜・祝日
住所:東京都葛飾区高砂8-30-12
駐車場:専用駐車場1台あり(病院の1階が駐車場です)
最寄駅:京成高砂駅(京成線)から徒歩5分
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ひとつめの信号(角に伊勢屋さんというおにぎりやさんがあります)をとおりすぎたらすぐ、道路の左側にあります。1階が駐車場、2階が病院になっています。