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2024.09.17 犬と猫の心臓病について|早期発見が大切!

大切な家族である愛犬や愛猫が、いつまでも元気で長生きしてほしいという願いは、すべての飼い主様に共通するものです。しかし、犬や猫は年齢を重ねるにつれて、心臓病にかかりやすくなることがあります。心臓病は一度発症すると、生涯にわたって付き合う必要がある病気です。そのため、早期に発見し、適切に管理することが何よりも大切です。

 

今回は犬と猫の心臓病について、症状や心臓の主な病気、治療方法などを解説します。

■目次
1.症状
2.心臓の主な病気
3.診断方法
4.治療方法
5.ご家庭での注意点
6.まとめ

症状

心臓は全身に血液を送り届ける重要な役割を担っており、その働きが弱まると命に危険が及ぶことがあります。犬や猫が心臓病を引き起こすと、次のような症状が見られることがあります。

 

・咳をする
・疲れやすくなる
・運動を嫌がる
・元気がない、ぐったりとする
・食欲がなくなる
・体重が減少する
・腹部が膨れる
・安静時の呼吸が速くなる など

 

心臓の主な病気

犬や猫の心臓病にはさまざまな原因があり、先天性のものや後天的に発症する場合もあります。

 

【犬の場合】
<拡張型心筋症>

心臓の筋肉に異常が生じることで、心筋の壁が薄くなり、心臓の収縮力が大幅に低下します。そのため、全身に十分な血液を送ることが難しくなります。

 

この病気は、ドーベルマンやグレート・デーンなどの大型犬に特に多く見られます。

 

<洞不全症候群>

心臓が正常なリズムで拍動するために必要な電気を作り出す部位(洞房結節)の機能が低下することで、徐脈などの不整脈が発生します。その結果、虚脱や失神といった症状が見られることがあります。

 

この病気は、特に中年齢以降の犬やミニチュアシュナウザー、ダックスフント、コッカースパニエル、ウエストハイランドホワイトテリアなどの犬種に多く見られます。

 

<僧帽弁閉鎖不全症>

左心房と左心室を分ける僧帽弁に異常が生じることで、弁が完全に閉じなくなります。それにより、左心室から左心房へ血液が逆流してしまいます。

 

この病気は特に小型犬に多く見られ、最も一般的な心臓病の1つです。

 

<三尖弁閉鎖不全症>

右心房と右心室を分ける三尖弁に異常が発生することにより、弁がしっかり閉じなくなるため、右心室から右心房へ血液が逆流する状態になります。

 

【猫の場合】
<動脈血栓塞栓症>

血管内や心臓内で形成された血栓が血管を詰まらせてしまう病気です。主な原因として、肥大型心筋症が最も多く見られます。この病気は症状が突然現れ、急速に悪化するため、非常に危険です。

 

<肥大型心筋症>

心室の心筋が徐々に厚くなり、伸縮性が低下することで、心房から流れてくる血液を十分に心室に受け入れることが難しくなります。さらに進行すると、鬱血性心不全となり、胸水貯留や肺水腫といった重篤な状態を引き起こすことがあります。

 

この病気は、猫に最も一般的な心臓病の1つです。

 

【犬・猫どちらにも見られる主な病気】
<肺高血圧症>

心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が異常に高くなる病気です。この病気は、僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症と関連して発症することが多いです。

 

<心タンポナーデ>

心臓を包む二重の膜の間にある心膜腔に大量の液体が急速に溜まることで、心臓が十分に広がらず、正常な拍動が妨げられてしまう危険な疾患です。

 

診断方法

心臓病の診断には、まず問診と身体検査が実施されます。問診では、飼い主様から愛犬や愛猫の日常の行動、食欲、運動量などについて詳しく伺います。その後、以下のような検査を行います。

 

<聴診>

聴診器を用いて、心雑音や呼吸時の肺の音を確認し、異常がないか評価します。

 

<レントゲン検査>

心臓の大きさや形状、肺水腫がないかを確認し、総合的に評価します。

 

<心エコー検査>

超音波を使って心臓の動きや内部の様子をリアルタイムで観察し、心臓の状態を詳しく評価します。心エコー検査は、心臓病の診断において最も重要な検査の1つです。

 

<心電図検査>

心臓の電気的な活動を測定して記録し、不整脈やその他の心臓の異常を特定します。

 

<血液検査>

心臓にどれだけ負担がかかっているかを確認するために実施されます。特定の酵素やマーカーの数値を測定し、心臓の健康状態を評価します。

 

<血圧検査>

心臓にかかる負担を評価するために行われます。高血圧は心臓病のリスクを高めるため、血圧の管理が重要です。

 

治療方法

心臓病の治療方法は、病気の進行度や種類によって異なります。

 

初期段階では、主に生活習慣の改善や薬物療法が中心となります。薬物療法では、利尿薬や血管拡張薬、強心薬などを使用し、心臓への負担を和らげます。

 

また、病気が進行している場合には、手術が必要になることもあります。

 

ご家庭での注意点

犬や猫の体重管理は非常に重要で、適切な体重を維持することで心臓への負担を軽減できます。また、適度な運動も大切ですが、過度な負担が心臓にかからないよう、無理をさせないことが大切です。

 

さらに、心臓病は進行すると命に関わる深刻な病気です。そのため、悪化を防ぐためにも、定期的に動物病院で診察を受けることが大切です。

 

まとめ

心臓病は犬や猫の健康を大きく左右する重大な疾患です。特に高齢になるとリスクが高まり、早期の発見と適切な管理が愛犬や愛猫の生活の質を保つために欠かせません。症状に気付いたら、早めに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることで、長く健康な生活を送らせてあげましょう。

 

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