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2025.02.17  一緒に頑張ろう!犬猫のアトピー性皮膚炎|正確な原因診断と継続治療で確実な改善へ

愛犬や愛猫がアトピー性皮膚炎になり、かゆがる様子を見ると、とても心配になりますよね。人間と同じように、犬や猫もアトピーの症状に苦しむことがあり、適切な治療とケアが欠かせません。

今回は、アトピー性皮膚炎の原因や症状、診断方法、治療法、さらには日常のケアについて詳しく解説します。愛犬・愛猫がアトピーかもしれないと心配な方、すでに診断を受けて治療に悩んでいる方は、ぜひご参考ください。

■目次
1.アトピー性皮膚炎とは
2.診断と検査について
3.治療法と対策
4.日常のケアとアドバイス
5.よくある質問(Q&A)
6.まとめ

 

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、遺伝的要因や環境要因によって引き起こされる慢性的な皮膚の炎症です。かゆみ・赤み・湿疹・皮膚の乾燥といった症状が見られます。
アトピーと他の皮膚疾患との大きな違いは、その主な原因がアレルギー反応であることです。これに対し、感染症や寄生虫などが原因となる皮膚疾患もあり、診断には慎重な判断が求められます。

 

診断と検査について

アトピー性皮膚炎の診断は、一般的に以下の手順で行われます。

1. 問診
飼い主様から詳しい症状の経過や生活環境についてヒアリングします。

2. 身体検査
皮膚の状態や症状の範囲を確認します。

3. 顕微鏡検査
皮膚のサンプルを採取し、皮膚の状態をより詳しく調べます。

4. 培養検査
細菌や真菌感染の有無を確認し、適切な治療方針を決定します。

アトピー性皮膚炎の確定診断には、感染症などの他の皮膚疾患を除外することが重要です。

 

<アレルギー検査について>

アレルギー検査は高額であり、稀に誤った陽性・陰性の結果が出ることもあるため、慎重に活用する必要があります。これまでの診療経験において、食物アレルギーが原因となるケースは限られており、花粉やノミ・ダニ、カビの影響を受けていることが多いことから、当院では、飼い主様と相談のうえでアレルギー検査を行うかどうかを判断します。

 

治療法と対策

アルファ動物病院では、当院医師の経験をもとに「免疫抑制剤(シクロスポリン)」を用いた治療を推奨しています。免疫抑制剤(シクロスポリン)は、かゆみや炎症を抑える効果がありながらも、副作用が少なく長期使用が可能という特徴があります。

その他、一般的な治療法や対策としては、以下のようなものがあります。

・抗ヒスタミン薬:かゆみを軽減するために使用されます。
・ステロイド薬:炎症を抑えるために短期間使用されます。
・オメガ3脂肪酸:サプリメントとして、皮膚の健康をサポートします。

一部の薬では、副作用がないというメリットはあるものの、その効果がかゆみを抑えることに限定されている場合があります。また、月に1回の注射治療もありますが、こちらもかゆみを一時的に抑える効果のみで、根本的な解決にはならない場合もあるため注意が必要です。

 

日常のケアとアドバイス

アトピー性皮膚炎の治療には、日常のケアが非常に重要です。

 

<適切なシャンプーの選び方>

人間の皮膚は弱酸性ですが、犬や猫の皮膚は中性〜弱アルカリ性です。犬や猫と人間では、皮膚の性質が異なるため、人間用のシャンプーの使用は避けましょう。アトピー性皮膚炎向けの犬・猫専用シャンプーが販売されているため、それらを使用することをおすすめします。

 

<ドライヤーの使い方>

ドライヤーの温風を当てすぎると皮膚の状態が悪化する原因となります。冷風をメインに使用し、時々ぬるめの温風を混ぜる程度にするとよいでしょう。

 

<生活環境の整備>

加湿器を使って適度な湿度を保ちましょう。アロマの成分がアレルギー反応を引き起こすことがあるため、アロマディフューザーなどの使用は避けてください。
また、ホコリ対策として定期的な掃除を行い、清潔な環境を保ちましょう。

 

よくある質問(Q&A)

Q:シャンプーの頻度はどのくらいが適切ですか?
A:シャンプーの適切な頻度は、個体によって異なります。毎日シャンプーをして症状が改善したケースもあれば、逆に悪化した例もあります。そのため、獣医師と相談しながら、愛犬・愛猫に合った頻度を見極めましょう

Q:食事を変えるだけで改善しますか?
A:食事を変えることで症状が軽減することはありますが、食事のみでアトピー性皮膚炎を根本的に改善するのは難しいとされています。一方で、フードやサプリメントによって栄養バランスを整えることは、皮膚の健康を内側からサポートするのに役立ちます。獣医師と相談のうえ、必要な治療と併用しながら、愛犬・愛猫に適した食事を選ぶことをおすすめします。

 

まとめ

犬や猫のアトピー性皮膚炎は、適切な診断と治療によって管理できることがほとんどです。自己判断での対処は避け、必ず獣医師と相談しながら治療を進めましょう。また、日常のケアや生活環境の改善も、症状のコントロールに大きく影響します。継続的な治療と適切なケアで、愛犬・愛猫の健康をサポートしましょう。
当院では、わかりやすい説明を心がけ、インフォームドコンセントを大切にしております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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